人生、不十分

大好きな銭湯のこと、日常のこと、考えなど

銭湯日記その93

溜まっている他の記事もあるけれども、これだけはどうしても先に書いておかないといけないなと思い書いています。

 

2020年3月月末で閉まってしまう銭湯さんが複数あります。

その全部に行くことは中々難しいけれども、自分が住んでいるところの区の銭湯さんには行こうと思い、行ってきたときの話。

荒川区西日暮里駅より徒歩5分程度のところにある、富来浴場さん。

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中々良い雰囲気の銭湯さんです。駅から近いというところも凄く良くって行きやすいんです。私が来たのは実は1年以上ぶりです。もっと沢山来ればよかったなっていうのは後の祭りと言いますか、後悔しかできない。

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横のコインランドリーにもこのようにポスターが貼られていました。

少し悲しい気持ちを持ちながらも、さっそくお湯をいただきます。

 

下駄箱の作りもですね、かなり年季が入っていて歴史を感じます。

中に入ると、受付型の番台がありこじんまりとしていますが待合室があります。

入浴料の470円を支払って、脱衣場に入ります。

ちなみに、富来浴場さんは無料の貸し出しタオルがありますよ!!

脱衣場もこじんまりとしていますが、それが逆に落ち着きます。

ありきたりな表現ではありますが、やはり田舎の祖父母の家のお風呂場はこんな感じだったなと感傷的な気持ちになります。

凄く小さめでありますが、庭があります。やはり、昔ながらの銭湯にある庭ってすごく良いですよね。たまらないです。

ありのままの姿になって、浴室内へ。

残念ながら、ペンキ絵はありません。しかし、カランの壁にタイル絵があります。

これはこれで、中々乙なものです。

 

壁周りにカランがあって、真ん中に丸い浴槽、右奥に薬湯がある関東ではあまり見かけないスタイルです。薬湯は最初の写真にも書いてありますが、靄です。真っ白いお湯が靄です。結構を使っている銭湯さんは多いですよね。

富来浴場さんには永久腰掛けが結構多く残っていました。今では中々見かけなくなってきている永久腰掛け。見かけると絶対に使ってしまうんですよね笑

桶もケロリンではなくただの黄色い桶です。もしかしたら元々はケロリンって書いてあったのかな・・・いやでも全部ただの黄色桶だったから元々そうなのかな。

 

カランから出てくるお湯は肌当たりが優しく、熱くないちょうどいい温度のお湯が出てきます。シャワーは少しばかり年季を感じますが、これはこのような銭湯でなければ見られないものですね。カランもよくみると歴史を感じます。

「ありがとう」って思わず呟きながら、身体を洗いました。

 

身体を綺麗にしたら、まずは薬湯に入ります。

薬湯の温度は42℃。小さい湯船なのですが、それがサイズ的にちょうど良くてすごく落ち着きます。靄を使った真っ白いお湯で体を温めて、真ん中の湯船へ移動します。

 

真ん中の湯船は二つに分かれています。

バイブラの深めのお湯と浅めのジェットが付いてるお湯。

どちらも44℃で、結構熱めです。熱いお湯が苦手な人はちょっと入れないかもしれませんね。体感的にはバイブラの深めのお湯の方が熱かったです。

たぶんバイブラの浴槽からジェットが付いている方の浴槽にお湯が流れているから少しだけ温度が下がっているのかな。

ジェットは一転突破型です。勢いがあって熱いお湯とマッチします。

浅めの方につかって、ぼーっと天井を見上げると、こんなに良い銭湯が無くなってしまうのかとすごく悲しい気持ちになりました。

カランで水を被って、永久腰掛けに座るともう立ち上がれなくなっちゃいます笑

永久腰掛けで休んだら、少しばかり後ろ髪をひかれながらも上がりました。

 

庭に出て外気を浴びながら少し体操をしたのですが、これも庭がある銭湯ならではなんだよなぁとしみじみと思いました。

色々なところを見渡すと、確かに限界が来ているのかもしれないなと感じさせるところがありますが、それすらも愛おしいくらいです。

 

お風呂上りにご主人と少しばかりお話をしました。

井戸水を使っていて、大体80mくらいのところから引いている。

昔は薪だったけど、重油バーナー、ガスと時代に合わせて変わっていったこと。

昔と違って、親が子供を連れてこなくなったから人が減っていってしまったこと。

やっぱり毎日来てくれるのが良いんだよねのようなことを話しました。

60年以上前からやっているため、色々なところを補修しながら続けてきたけれども・・・・とのことだった。

どうしようもない事だから、私にできるのは閉店するまでちょこちょこ行かせてもらうことくらい。

柔らかくて落ち着くこのお湯を味わいに、閉店までに何度かまた必ず行こうと思いました。

 

やっぱり地域に根付いて、地域の人たちが行くのが銭湯だなって思った。

私が住んでいる荒川区にはまだ多くの銭湯が残っているので、荒川区にある銭湯にはこれからもどんどん通っていきたいなと思った。少しでも、地域の役に立ちたい。

 

今、銭湯にちょっとでも興味がある人は是非有名な銭湯やよく聞く銭湯ではなく、家の近くにある銭湯に行ってもらいたい。そこには、少しだけ時間が止まったような場所と気持ち良いお湯があると思います。それを体験してほしい。のんびりゆっくり1人の時間をそんな銭湯で満喫すると、帰り際にちょっとだけ番台で話していこうかななんて気持ちが出てくると思う。番台で話をすれば自分が住んでいる地域の事だったり、その場所の歴史なんかも聞けたりするので、楽しいです。

 

とにかく、まずは家の近くの銭湯に是非とも行って欲しいです。

そして、富来浴場さんは駅から近いので、皆さんも是非行ってみてください!

真ん中に湯船がある、昔ながらの銭湯も良いですよ~~~!!

 

がわ