たりないふたりが12年間のコンビ活動を終了した。
今年の5月31日(奇しくも私のサラリーマン最終出社日で運命感じた)に配信のみで解散ライブを実施したけれども、12月12日(日)に一日限りで映画館で特別編の上映があった。
抽選になったけど、無事あたって映画館で改めて見てきた。
最後の最後を見届けてきて、胸が熱くなってブログに書き起こしてる。
たりないふたりとの出会い
初めてたりないふたりを見たのは日テレでやってい潜在異色という番組だった。
当時、深夜アニメを片っ端から見ていた中でたまたまチャンネルを回したらやっていてボケーっと見ていたら潜在異色が面白くて見続けて、出会った。
今となってはそれも一つの個性って言われるようになってきているけれども、当時は人間関係が苦手とか人と話すのが苦手とか異性が苦手とか飲み会が嫌いとかそんなことって言えるような空気じゃなかった。
でも、たりないふたりはそれらをテーマにして漫才をやっていた。
オードリー若林さんは人見知りの全盛期で、かなり尖っていたと思う。
南海キャンディーズの山里さんもしずちゃんに注目が集まり、やはりかなり尖っていたと思う。
人間として色々と「たりない」二人が、この世界で生きていくうえでどうするかであったり、どうやって飲み会や人間関係から逃げていくか、等がテーマだった。
かくいう私は当時19歳だったはず・・・20歳だったかな?
とにかく、私も私で今以上に生きていくのがしんどかった。
周りから求められる「真面目」っていう張り紙に答えないといけない。
親に絶対に迷惑はかけられないし、「飲み会」も(まだお酒飲めないけど)大学での人間関係を構築するうえでなぜか必須になってたから無理して参加してた。
でも本音で言えば、そんなことはすっ飛ばしたかった。
飲み会に参加しないで、一人で本を読みたかった。
友達の誘いに必ず全部乗らずに、一人で映画を見に行きたかった。
真面目だねって言われ続けてそれを裏切らないようにしていたけど、本当は全部ほっぽり出して一人で居たかった。
そんなこと、当然表に出して言えなかった。
だから、たりないふたりは衝撃だったし「自分以外にもこんな風に悩んでいる人っているんだ!しかも若林さんも山里さんも自分より年上で人生経験豊富なはずなのに!」ってすごく感動した。
たりないふたりと出会ってから
私自身は他の人と比べて(たぶん)、妬み嫉みがかなり大きくて妬み嫉みをガソリンにしてきた。特にたりないふたりを見る前なんかはそれが凄くて。
練習はサボるくせに、ちょっと運動ができるだけでレギュラーで試合に出てるやつとか。
格好良いor可愛いってだけでチヤホヤされて、授業サボっても楽して単位取れてるやつとか。
アルバイトのお金だけじゃ到底買えないようなブランド品を身に着けてるやつとか。
なんなんだよこいつら。意味わかんねーよ、いくら何でも不平等すぎるだろ。
絶対に社会人になるときにはコイツラよりも上に立ってやるクソくらえ!!なんて思っていた。
実際、勉強とかかなり頑張ってたと思う。
でも周りを見てもそういう人たちに対して嫉妬心や敵愾心を出している人なんて全くいなくて、「みんな人として出来てるなあ」ってそれはそれでまた気分が悪くなっていた。
大学で運動系のサークルに入っていたから、飲み会が結構な頻度であった。
正直に言えば、当時は参加したくなかった。さっさと家に帰ってみたいアニメあったし読みたい本あったし、一人でぼーっとしたかったし。
でも、あの大学生特有の「飲み会絶対に参加するっしょ!?」って空気に私は抗えずに毎回律儀に参加していた。
どうしても我慢の限界の時は必殺親のせいをつかって「親から今日は早く帰ってこいって言われてるんだよね~」って言って逃げてた。きっとこれ、ばれてたんだろうなあ笑
自分から見てきちんと人生を送っている人に対してはっきりと嫉妬心があった。
なんでこの人達はこんなに何も考えていない(実際そんなことないと思うけど)で生きていけるんだろう。意味わからんこいつらとは相容れないなって。
でも、たりないふたりを見始めてから少し変わった。
まず、妬みや嫉みが大きい人は自分だけじゃないんだっていう安心感。
飲み会とか人と一緒にいることが嫌で、できれば一人で居たいって思うのは自分だけじゃないんだっていう安心感。
特に山里さん、若林さんはたりない二人の前から好きだったからこそそんな二人は私の人生の指針になった。
元々山里さんのワードセンスばっちりの突っ込みには憧れがあった。
何か使えそうな言葉があったら山里さんの真似してノートにメモしてた。
今も、ノートじゃないけど「これ使えそうかも」って思った言葉は記録してる。
若林さんはオードリーの漫才がとにかく好きで、当時の若林さんの突っ込みも切れのあるワード突っ込みでこれまた私はあこがれていた。
だからこそ、たいりないふたりに出会う運命だったのかもしれない。
とにかく、たりないふたりを見始めてからは少しだけ心が広くなった気がする。
何かあっても「まあ自分はたりないふたりと同じ感覚あるし、きっと次のたりないふたりで同じようなテーマで漫才やってくれるだろうし」みたいな心からの安心と支えになってた。
たりないふたりは私に自己肯定感をもたらしてくれた。
超余談だけど、二人が理想の女性として勝手に妄想した架空の女性が詩織さんで、二人の大ファンの佐藤栞里さんが二人に手紙書いたときに最後に詩織よりって書いてたの最高だった。
あの二人が妄想した理想の女性は私にとっても理想の女性だった笑
たぶんたりふたファン全員の理想の女性。
たりないふたり復活
たりないふたりは2014年の「もっとたりないふたり」の後、約5年間活動していなかった。
っというのも、山里さんも若林さんもテレビで見ない日はないくらいお忙しそうだったし、もう二人ともたりていない部分なんてないのかななんて感じたりしていた。
そもそも「もっとたりないふたり」の時点で二人の「たりない」部分が最初の頃のたりないふたりから微妙に変わっていっていたし。
人間的にたりないっていうよりは、なんていうんだろう・・・MCをやる芸人としてたりないとか、テレビにでるにあたってたりないとか・・・そんな感じ。
それでもラジオでは二人ともキレッキレで「やっぱりまだまだ二人とも足りてないじゃん!」って私が変わらず安心したのは内緒ですが。
そんな最中に、たりふたファンとしては腰を抜かしそうになるニュースが。
山里さんが女優の蒼井優さんと結婚すると。
キューピッドはまさかのしずちゃんと。
「!?!?!?!?」
ってなった。
山里さん著の「天才はあきらめた」を読むとわかるんだけど、山里さんとしずちゃんとは異常なくらい仲が悪い。それも全部山里さんの妬み嫉みが100パーセント悪い方向に働いているからっていうのが原因で。それでしずちゃんも当然山里さんの事よく思っていない。
そんな中でしずちゃんがキューピッドで山里さんが結婚。
しかも女優の蒼井優さんと。
「こうなったら女優とでも結婚しねーと」みたいなことを言っていた山里さん、さすがですってはならないよ!!マジかよやまちゃんが!!!!
もう満ち足りちゃうじゃん!!!って。
ただ女優さんと結婚しても山里さんは山里さんのままだった。
下から関節決めるし、自虐するし、妬み嫉みはもちろん健在。
私としてはなぜか安心したけど、世間的には違ったっぽい。
こんなビックニュースが飛び出てたりないふたりが動かないわけがない。
2019年にみなとみらいでさよならたりないふたりが開催(見に行けなかった・・・)
この後すぐに若林さんがまさかのいい夫婦の日に結婚するなんてね・・・。
山里さんの結婚も驚いたけど、見えない嫁が見えてきて、帰りにゼクシィ買って綺麗に伏線回収した若林さん流石でした。そしてそれに嫉妬する山里さん。
うーん、たりないふたりっぽいよね!
さよならたりないふたりはHuluで配信されてからすぐに見た。
圧巻だった。
これぞたりないふたりっていうすべてが詰まっていた。
でも、ちゃんと大人になってた。
特に若林さんが色々な事を経験されたり、考えたりして一歩前に出た感じがあった。
山里さんは結婚もしたけど、色々とまだ迷っている感じがあった。
でも結局二人とも性根のところではまだまだたりなくてああって安心したり。
私もこの頃になると、自分の妬み嫉みと上手く折り合いをつけていた。
ガソリンとして必要な時は使うけど、それ以外は上手く隠す。
一人になりたいときは素直に言う。それで引かれたり関係が拗れたらそれまでだって。
こう思えるようになったのもたりないふたりのおかげ。
「さよなら」とタイトルについていたけど、この後すぐにまた会える。
たりないふたり春夏秋冬
2020年になって、「たりないふたり春夏秋冬」という番組が始まった。
日テレが味をしめたのかな!?笑
新型コロナの影響で思いっきり漫才ができないからいつか漫才ができる日が来るまで、漫才の設定を二人が考えるって番組。
これについては多くはかけない。
この春夏秋冬を見てからじゃないと明日のたりないふたりにつながらないから。
漫才じゃないにしても、二人の掛け合いそれ自体が漫才みたいで凄く楽しい番組だった。
この時私は本格的に転職しようかな~なんて思っていた。
会社内で仕事もしていないのに自分より給料が良い人達を見ていて、「意味わからんこんなクソみたいなの」ってずーっと思っていたから。完全にこれも妬み嫉みだw
ただ、このガソリンが良い方向に稼働して転職して今は凄く楽しく仕事をしている。
この時は山里さんの妬み嫉みが遂に若林さんに向かいだして、たりないふたり最大の危機だった。
明日のたりないふたり
そして、明日のたりないふたり。
解散ライブ。何も多くは言わないので、是非とも見てほしいです。
さよならの時とは違って、未来に向かっていくたりないふたりだった。
私もたりない武器として竹槍を持ってこれからも満ち足りることない、たりない世界で生きていくんだって決心した。
たりている世界に簡単に行けるヘリコプターは存在してなくて、たりてないけど、でも闘い方や生き方はある。
たりない私達から見たたりてる世界はカラフルでキラキラしていて、とても憧れる。
でも、たりている人達からするとたりない私達の世界も羨ましいのかもなんて。お互いある種のないものねだりかもしれない。
たりないふたりは解散してしまったけど、心の中にはずっとたりないふたりがいるし、新たに託されたたりないふたりがいるから私達たりない世界の人も安心していける。
明日のたりないひとり
たりないふたりが羨ましいと思うことが一つ。
それは、山里さんと若林さんが出会えたこと。
これは物凄く羨ましい。
曲としてたりないふたりをリリースして今や売れっ子のCreepy Nutsも羨ましい。R-指定さんとDJ松永さんが出会っているから。
たりない世界にいる私は、まだたりない相方に出会えていない。まだたりないひとりだ。
いつの日か、たりない相方に出会えるのかなとか考える。
もし出会えたら少しは満ち足りるのかな。
それとも二人合わせても全然たりないかな。
いつか、たりない相方に出会えるように竹槍振
り回しながらたりない世界で生きていくぞ〜
あー、たりなくて良かったぁー。
がわ