朝、曇りがちな空から顔を出している太陽の光でぼんやりと目を覚ました。
起きて真っ先に私は思った。
「今日は焼肉が食べたいな・・・・」
いつもTwitterで『肉が食べたい』と呟くと、昔からの友達が釣れることが多いため今回も「肉が食べたい」と呟いた。
予想通り、友達からリプライが来たがそれは期待していた回答ではなかった。
『今日は家に晩飯あるからいけないなぁ』
そう、友達は実家で暮らしているため当日に急遽行こうと言っても合わないときもある。ちょっと申し訳ないことをしてしまったなと思いつつも私の身体はお肉を求めていた。
頭をフル回転させてこの欲求を満たそうと思案すると、なぜかまんきつさんの素敵な笑顔が頭に浮かんできた。
「そうだ!台湾の角煮定食にチャレンジしよう!あの大きな角煮ならこのお肉を食べたい欲を満たせるきがする!」
この日の私の行く先が決まった。
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山手線に揺られて、大塚駅で降りる。その足でそのまま都電荒川線に乗り向かうは新庚申塚駅。駅からでてすぐに私の目的地があった。
それが、【ニュー椿】。かなり大きいビル型銭湯だ。
早速中へ入り銭湯・サウナ代金を支払う。この日は偶数日であったため男性は3階のお風呂だ。ニュー椿では3階が当たりの日と言われているため気分が上がる。
私は以前もここに来たことがあった。しかし不幸にもその日受取でスーツをクリーニングに出していたことを思い出した。次の日にスーツを着る予定があり、なんとしてもその日のうちに受け取らなくてはならず、駆け足で出てしまったため満喫できなった。
そんなことがあったためこの日の私は心に決めていた。『絶対にサウナを満喫してやる』と。
浴室に入ると、手前にカランがあり奥に浴槽があるオーソドックスな銭湯スタイルだった。すでに地元の常連と思われる方々でにぎわっていた。
私は奥の方のカランで身体を洗い、右手奥にある≪サウナスペース≫へ向かった。
ニュー椿はサウナスペースが独立している少し変わった銭湯だ。そのため、サウナ代金を払って受け取ったカギを使わなければサウナスペースへ行くことができない。
私はカギを使ってそそくさとサウナスペースへ行く。
3階はロッキーサウナとミスト(塩)サウナがある。塩サウナ側が混んでおり、ロッキーサウナの方が好きな私はとてもラッキーだった。
塩サウナ側はテレビがあり、訪問した時間は夕方だったこともありどうやらテレビを見たい方々が塩サウナに入っていたようだ。
塩サウナを素通りしてロッキーサウナに入る。温度は決して高いわけではないが湿度が高くオートロウリュによりさらに高湿度になる。
これだけ湿度が高いと長い時間入っていなくても、しっかりと汗をかくことができる。
サウナ室で体育座りをして自分の世界に入り込む。
私の悪い癖だとは思うが、『あの時ああすればよかったなー』、『なんでこんなにちっぽけなんだろ』等々・・・ネガティブなことを考えてしまう。
それを振り払うように汗をかき、水風呂へ向かう。
水風呂に入ると先ほどまで考えていたネガティブな思考は全て吹っ飛んで、勝手に笑みがこぼれてくる。これがサウナの素敵なところ。
椅子に座り休憩をしていると1回しか入っていないのに驚くくらいのあまみが出ている。どうやら、私の身体とニュー椿のロッキーサウナは相性が良いらしい。
休憩中は思考が止まっているためほぼ「無」の状態になる。この瞬間がとっても好きなんだ。
その後サウナ・水風呂・休憩を3回繰り返しサウナスペースを後にしてお湯に入る。
お湯は柔らかくサウナとは別の落ち着きを与えてくれる。露天風呂もあるため外で少し休憩をする。あいにくの曇り空だったけれども、これはこれで乙なものだ。
お湯とサウナを満喫し、ニュー椿を後にした私が向かうのは【台湾料理 台湾】である。
まんきつさん著の湯遊ワンダーランドでも出てきているこのお店は、とても大きな角煮と硬い鉄卵が銭湯・サウナ好きの間では有名だ。
私は初めて台湾に入り、角煮定食と鉄卵を頼んだ。
鉄卵は名前の通りかなり硬く、奥歯でなければ噛めなかった。しかし、味がしっかりと付いていてお酒のつまみになりそうだった。
「最初に硬いの食べれたらあとはみんな柔らかいよ」
お店のおかみさんにそう話しかけられた。
「杏仁豆腐もあるけど食べる?」
まだ、角煮定食が来ていないのにデザートの話をしてくる。
噂には聞いていたがすごく話しかけてきてくれるおかみさんだ。でも不思議と嫌な気持ちはなく、なんだか心地よい。そうこうしているうちに角煮定食が届いた。
角煮定食は想像の1.5倍くらい大きく、お肉を食べたいという私の欲を上回って満たしてくれそうだった。
脂身も含めて全てがトロトロの角煮とご飯を交互にほおばる。自然とこぼれる笑み。
脂身が多いと気持ち悪くなることがあるが、この角煮は全然ならずに驚いた。
しかし、想像以上に大きい。お腹がはちきれそうになる。
角煮定食にも柔らかめの鉄卵が付いてる。こちらは普通の味付け卵と変わらない硬さで食べやすい。
再び角煮に戻る。やっぱり柔らかく肉汁もしっかり出てくる。なにより、飽きがこない。お腹はどんどん膨れていくが、飽きてこないので手は止まらない。
完食すると、お肉を食べたいという気持ちは完全に消えていた。
ただただ「横になって寝たい」という気持ちだけであった。
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お休みの日に自分の欲求に任せて行動をしても結局銭湯やサウナが中心になっていることに改めて気が付いた。
なんだかんだやっぱり、私は銭湯とサウナが好きでたまらないなと再認識した。
平日もこのように欲求にまかせて銭湯・サウナに行こうと思う。
そんな、私の素敵な一日のお話。
角煮定食の写真。よく見ると分かりますが、角煮の奥にご飯が隠れています。
鉄卵。めちゃくちゃ硬いです。でもかなり癖になる味。
お酒が好きな人はたまらないと思います。