人生、不十分

大好きな銭湯のこと、日常のこと、考えなど

大きな心境の変化

10年で変わったこと・変わらなかったこと

10年前、まだ20歳だった私。
大学生であり、サークル活動や研究室(理系のため)での活動等小さい世界ながら毎日が充実していた。

一方でこの頃はまだまだ将来どういう方向に進むかが決まっていなかった。

小学生時代から獣医師になることを夢見ていたが受験では失敗し獣医学部の別の学科に進学をしたため新たに夢を見つける必要があった。

漠然と動物に関わる仕事がしたいと思い進学したけれども、学んでいくうちに根本的に誰かの役に立ちたいという気持ちが強いことに気がついた。

だから研究室では必死に誰かの役に立つかもしれない研究を続けていた。そうした後に研究が楽しくて楽しくて大学院に進学することを決心した。

周りが就職活動をしている中、院試に備えて勉強と研究を黙々とやっていた。

そういう事もあり、無事に大学院へ進学することができた。大学院では学部生時代の研究の延長を行っており、いつしか就職するのであれば研究職として就職したいという気持ちが芽生えていた。

いやこれは芽生えていたというよりも芽生えざるを得なかった。本音を言えば修士の更に上の博士課程に進学したかった。

ただ、親になんて話そう・・・と悩んでいるうちにあれよあれよと修士の2年は進んでしまい結局就職活動をすることに。

就職活動では、自分のやりたいことややってみたいことではなくてバックグラウンドにある自分がやってきた研究をベースとして会社を受けた。

それが当たり前だと思っていたし、やりたいことなんてできるわけない、自分にそんな能力はないと思っていた。

そうした就職活動の末に内定が出たのは2つ。
九州の方の会社と東京の会社。
ただし、内容は大きく違い研究ができるのは九州の会社だった。

どちらに就職するか迷った私は色々な人と話したりして東京の会社に決めた。

ただこれの大部分は当時付き合っていた彼女の意見が大きかった。

「どこに行っても、私はついていくよ」

と彼女は言った。その彼女は東京で働いていた。そんな彼女にどこにでもついていくと言われてしまい青臭いが先の未来を想像してしまい東京にいたほうが彼女自身も楽しいだろうと考えた。

ある意味私は自分の意志だけじゃなくてそういう外側の要因で就職を決めた。

明確に自分の意志があるわけでもなく、さらに自分の能力を勝手に自分で決めつけて『あれはできない』『これもできない』『自分にはそんな能力もない』『やりたいことは仕事以外のところでやればいい』と思っていた。

そうして就職をして働き始めた矢先に彼女とは別れた。
人生なんてそんなもんであるわけで、でも当時は『あれ、なんで東京で働くことにしたんだっけ・・・』なんてかなり思い悩んだ。

仮に九州の会社に就職していれば少なくとも学生時代にやっていた研究の延長のような仕事ができていた可能性が高かった。例えそれが本当にやりたいことでなかったとしても、学生時代の研究の延長のような仕事であればまた違った気持ちになっていたと思う。

でも、当時の私は自分の気持ちよりも付き合っていた彼女の気持ちに寄り添う選択をした。それが間違いだったとは今も思わないがそれなりに苦しんだ。

それでも仕事はしなければいけないわけで。
生活のため、生きていくためと自分に言い聞かせながら仕事をしていたがいつしか『自分がやりたいことってなんだろうな・・・』と思い始めた。

その頃、あちこちの銭湯を巡ることが趣味で銭湯がどんどん減っていることを知った。

どうにかこれ以上銭湯が減らないようになにかできないかなという気持ちの元、このブログをやり始めた。

それと並行するように仕事に対する熱量は日に日に減っていってしまっていた。
根本的に私の行動原理は【誰かの役に立ちたい】というもの。

もちろん当時の仕事も人の役には立っていたけれども、相手の顔が見えない仕事であったため達成感のようなものはなかった。何より、なんのために仕事をしているんだろう・・というネガティブな気持ちが日に日に増していった。

一方、趣味の方ではどんどん銭湯の方にのめり込んで行くようになった。
毎週土日は遠出して普段は行けない銭湯に入りに行ったり、銭湯関係のイベントやオフ会に参加してみたりと積極的に動くようになっていった。

そうしていつしか私は、『自分のやりたいこと、やってみたいことをやってみてもいいのでは』と思うようになった。

趣味関係で出会った多くの方々が否定をしない方たちだった。また、多くの人達が自分の好きなことを好きとはっきりと言い、好きなことをやっていくことってダメじゃないんだむしろ良いことなんだと思えるようになったのが非常に大きかった。

運命のいたずらか、もし学生時代の自分が九州の会社への就職を選択していたら、この方々と出会うことはなかったと思う。

そうなると、私は自分の気持ちを受け入れ素直に行動することができなかったと思う。そして漠然と人の役にたちたいと思いつつも何も行動ができなかったと思う。

【誰かの役にたちたい】というのは紛れもない本音ではあるけれども、それ以上に親に迷惑をかけてはいけない。
親を安心させなきゃいけないと自分で自分に呪いをかけていた。つまり優先すべきは自分の気持ではなくいかにして周りを安心させるか、親を安心させるかだった。

この呪いが10年の間に出会った多くの方々の言葉と共に解け、大きな心境の変化をするようになった。

『自分のやりたいことをやりたい!』

とはっきり声に出して言えた。

自分のやりたいことややってみたいことを声に出し、かつ行動を起こすまでに10年を使ってしまった。
けれどもこの10年は非常に大切でかけがえのない宝物でもある。

そうして、私は今私はこれ以上銭湯が減らないようにという気持ちに従い銭湯の中に入り込み銭湯で働いている。

一方で10年どころか小さい頃からずっと変わらない事もある。
それは、やはり【誰かの役にたちたい】という気持ち。

銭湯ではお客さんの顔が見えるため、何か新しいことをやったときに直ぐに反応が見れるためモチベーションにも繋がっている。

何よりも、銭湯を必要としている人達のために営業をできているといことで少しだけかもしれないけれども誰かの役に立てているということが嬉しいしやりがいとなっている。

10年を振り返ると、自分自身に正直に嘘をつかないでやりたいことややってみたいことをやるために行動に移せるようになった。

また誰かの役に立ちたいという私自身の行動原理は全く変わらない。たぶんこの行動原理はこの先もずっと変わらないと思う。

そしてこの10年で変わった心境はすごく前向きな変化だと思う。

これからも前向きな心境の変化ができるように、日々楽しく過ごしていきたい。

がわ

写真展の話

お久しぶりになりました。

 

千代の湯店長のがわです。

さて、既にTwitterでは告知を出させて頂きましたが千代の湯で初めて?となるイベントをやります。

 

 

こちらです!

その名も『あらかわご近所銭湯写真展』です!!

名前の通り、荒川区のご近所銭湯の写真展になります。

 

事の始まりは、ぴーちさん(今回の写真撮影者の方)がTwitterでいつか銭湯で写真の個展をやりたいと呟いていたんです。

 

ぴーちさんとはえごた湯さんにてお会いしており、素敵な写真を撮られる方で実際に千代の湯も写真を撮って頂いていて、「やっぱり素敵な写真だな〜」って思っていました。

 

さらに丁度、千代の湯の空いているスペースを何かに使えないかな……と考えていたこともあり「千代の湯を展示場所として写真展やりませんか」とお声をかけさせて頂きました。

 

正直、ご時世的にもやっていいものかどうか迷いましたし、今も迷っていますがせっかくの機会だし、かつ写真展示のみでアルコールや食事の提供は一切しないのでやってみようと言うことになりました。

 

ぴーちさんが撮られる写真はどれも素敵な写真なのでお近くに来る用事があればふらっと来て頂けると嬉しいです。

 

特別開放日に来られる方には下記ご協力をお願いします。

 

・体調不良や発熱がある場合は来店を控えてください

・複数人での来店はしないようにお願い致します

・マスク着用必須

・アルコール消毒の徹底

・検温

・展示を見る際はお喋りをしない

・食事禁止(飲み物は大丈夫です)

・ゆっくり見て頂くのは大丈夫ですが、長時間滞在は避けてください

・展示品は触らない

 

荒川区には沢山の素敵な銭湯があります。

今回展示されるのはまだ一部ですがこれをきっかけに荒川区に限らずご近所の銭湯に行って頂けると嬉しいです。

 

がわ

千代の湯日記 vol.2

ご無沙汰してました。

荒川区千代の湯のがわです。

 

さて、会社を辞めて銭湯業界に入り込んでから約2か月が経過しました。

あっという間過ぎて正直怖いんですが、それだけ無我夢中だったってことだと思っています。

 

今回は千代の湯の事というより、会社を辞めてこの2か月の僕の変化とかについて記録として残しておこうと思います。

 

①生活リズムが完全に変わった

これは別に悪い事ではなくて、ちゃんと銭湯で働けているっていう事です。

まず会社で働いていた時は、基本9:00~18:00が勤務時間で(残業やフレックスもありますが)通勤時間も含めると起床時間はだいたい7:00頃で就寝時間は23~24時でした。

 

千代の湯で働き始めてからはだいぶ時間が変わりました。

営業時間は15:00~23:00で営業後に掃除だ〆作業だって色々やってると結局終わるのは1:00~2:00くらいです。そこからお風呂入って、ちょっと休んで寝るので就寝は2:30~3:00くらいです。仕込みがあり13:00には開店準備を始めるので11:00頃には起きています。

 

こうやって書いてみても明らかですね笑

かなり遅い時間になりました。

でも、きちんと寝る時間は確保できているので元気です。

 

②瘦せたし筋肉が付いた気がする

毎日営業後に掃除がありますので、今までと比べて運動量的には増えています。

また、掃除の時にバケツを持ったりするのでちょっとした筋トレみたいになっているんですよね。だから筋肉が付いた気がします。あくまで『気がする』レベルです。

 

体重に関してはきっちり数値として出ているので間違いないです。

痩せました。とはいってもげっそりとかではなく摂取カロリーと消費カロリーのバランスの問題で掃除やってるから消費カロリーの方が多くなってるのかなって感じです。

健康診断の数値が軒並み良くなっていたので健康的に痩せているみたいです笑

具体的には約1.5kg痩せました。・・・え?誤差?いやいや1kg超えたらそれは誤差じゃないですよ。

 

③現時点では自由な時間はあまりない

千代の湯でやることは多いし、やりたいことも多いし、やるべきことも多いので自分の自由な時間っていうのは会社員の時と比べると格段に減りました。そもそも定休日が週1回でその定休日も定休日だからこそできることっていうのがあるので実質定休日じゃないのです。

 

でも、そもそもこれがやりたいことだったりやってみたいことだったので特にストレスになったりはしていないです。会社員の時は土日休みでしたが折角の休日なのに特にやることがなくてむしろそれがストレスになったりしていたこともあったので。典型的なワーカーホリックですね。

 

この先千代の湯の経営が安定してくればこれはまた変わってくるかもしれないです。

その時にどうまた動くかも今から考えないといけないんですよね。

 

まあここまで色々書いたけど、ぶっちゃけ毎日しんどいけどそのしんどさを超えるくらい次なにやろうどうしようって考えて行動するのは楽しいです。

 

あと多少(会社を辞めた)違和感が出るかなって思ったんですが全くないです。前職の同僚からすると「まあそっちが本業というか性に合ってたんじゃない?」と。自分では分からないですがそういう適正はあったのかもしれないですね。

 

これが落ち着いた時にどうなるか分からないですが、まだまだ千代の湯でやりたいこともできていないし、やらないといけないことも、やるべきことも出来ていないのでそれをひとつづつやっていくだけです。

 

何度も書きますが、普通にしんどいはしんどいですよ。

基本肉体業務が多いですし、時間的な拘束はかなり長いですし。

何かやってもその効果がすぐに出るわけでもないので、失敗かなあ成功かなぁって考え続けてしまったりしますし。

 

今後銭湯で働きたいって思っている人はそこをきちんと考えた方が良いと思います。

それとまずは掃除だったりバイト募集してるところでバイトするとかから始めた方がいいんじゃないでしょうか。なんか夢・理想ばっかりが先走ってる方が多い気がするので。まずは何にしても実際に体験することからではと思います!体験することは大事です。

 

次はまた千代の湯のことを書けたら良いなって思います。

引き続き、千代の湯をよろしくお願いします!!

 

がわ

千代の湯日記 vol.1

こんにちは。

荒川区千代の湯のがわです。

 

さて、先日会社員を辞めたという記事がめちゃくちゃ沢山の人に読んでいただけたようで・・・読んでくださった方々ありがとうございました。(下記にリンク張ります)

 

miku778.hatenablog.com

 

 

 多くの方に読んでいただけたので、今後は働いている銭湯の事をもう少し深堀して書いていきたいと思います。

 

 

 

 

働いている銭湯

前回の記事でも書きましたがもう少し細かく。

僕が現在働いている銭湯は、荒川区西尾久にある「千代の湯」という銭湯です。

www.1010.or.jp

arakawa-sento.jp

都電荒川線の「荒川遊園地前」から徒歩で5分程度の場所にあります。

住宅街の中にある、所謂ビル型の銭湯でかなり奥まったところにあるので、初めて来られる方は迷ったり、入りにくかったりしてしまいますが地域のお年寄りから愛されている銭湯です。

 

銭湯で働くことになった経緯については、前回の記事を読んでください!笑

 

千代の湯の現状

ぶっちゃけていうと、現状だと厳しいです。

具体的な数字は書けませんが、利用者人数的にはちょっと少ないです。

今までやっていた女将さんが体調の問題から営業日数を減らしていたり、急に休業したりしていたのでお客さんが離れていってしまいました。

 

実際に銭湯で働き始めてからよくわかったんですが、『営業を続けること』が一番大切。複数人のお客さんから「あれ、千代の湯再開したんだ。閉めたり開けたりしてたからてっきりもう休業して終わりだと思っていたよ」って言われました。

 

銭湯(地方のスーパー銭湯も含む)は地域に根付いているものです。

基本的には家の一番近くの銭湯に通うというお客さんが多く、営業していなければ来てくれないです(まあ当然ですよね)

営業してたりしてなかったりすると、いざ銭湯に来てみた際にやってなかったなんてことが発生してしまってそうなるとお客さんは来なくなります。

 

だからこそ、定休日以外きっちりと営業をしていくことがまず一番大切なんです。

でも、すでに離れていってしまったお客さんに「営業再開してますよー!」っていう情報が届いていないんですよね・・・。

 

離れて行ってしまったお客さんの多くもお年寄りで、インターネットを見たりしているわけではないので『再開している』ことや『若いメンバーが引き継いだ』という情報を知らず今も休業していると思われてしまっています。

 

減ってしまったお客さんにまずは戻ってきてもらうことが目下の課題でもあります。それと同時に新規のお客さんを増やして、『千代の湯って良い銭湯だなあ』って思ってもらい足を運んでもらえるようにしていかないといけないですがいやはや難しいですね。

 

そもそも、銭湯が好きだったり地域活動をしている人でないと自分が住んでいる場所の近くに銭湯があったとしてもその存在すら知らない人が多いです。

 

例えば千代の湯では営業を引き継いでから、チラシを作って近隣にポスティングをしましたが「チラシを見て来たよ!今まで知らなかった」ということを言われたりしました。

 

長年住んでいる人ならともかく、新たに荒川区に引っ越しをしてきた人は銭湯の存在を知らないあるいは「梅の湯は知ってるけど、千代の湯って何?」って感じですね。くっそー良い銭湯なのに・・・・。

 

千代の湯の裏側

千代の湯のTwitterアカウントにてこんなつぶやきをしました。

 

 

千代の湯は引継ぎをするにあたって、リニューアルをしたわけではありません。

あるものをそのまま引き継いで、営業を再開しています。

そのため、設備は古いです。(手入れが行き届いていないわけじゃないです)

古いですがしっかりと稼働しています。しかし、ちょこちょこととガタが来ているものも多いです。

 

引き継いだメンバーは全員銭湯営業素人なので、わからないことだらけなので梅の湯三代目に教えてもらいながらやっていますがそれでも「これはどうしようもないのでは・・・?」ということが起きます。

 

古い機器が多いので、壊れてしまうとその機械のパーツが無かったり取付をしてくれたお店が廃業していたりと・・・。結局新しい機器にするにしてもお金がかかります。

 

でも最初に書いた通り、千代の湯の現状は厳しくそんなお金をかけることも難しくあるもの、できるもので進めていくような状況です。

 

今回発生したものも、古いからこそ壊れても手動でなんとかできますが機器はもうないので新しくしたりするのが一番手っ取り早いんです。でも、それが難しいので当面は手動で窯番をしながら営業です。

 

今後の千代の湯

いやー今後どうしていきましょうね笑

イベント系を何かやったりすることも考えていますが、今は新型コロナの影響もあって人を集めるイベントはやりにくいですし、千代の湯は井戸水を使ったお湯で水当たりが最高なのでそれを多くの人に知ってもらいたいんです。

 

なので、当面は毎週日曜日に入浴剤を使ったお風呂をやる予定です。

千代の湯と言えば、トゴールウォームタイトを使ったトゴールの湯があります。

井戸水+トゴールウォームタイトでさらに柔らかく気持ちの良いお湯になっています。

このお湯を活かしていくために『トゴールの湯×○○』って感じで色々やっていきます!

 

直近では『トゴールの湯×じっこう』をやりました。

 

トゴールの湯はもともと身体がポカポカ暖かくなるんですが、さらにそこに生薬のじっこうを入れてみるとこれが本当にむっちゃ気持ち良くて最高なんですよ。

 

トゴールの湯×じっこうは今後も定期的にやっていく予定なのでぜひ足を運んでいただけると嬉しいです。

 

っとまあこんな感じで今後もこうやって千代の湯の事を書いていけたらと思います。

新型コロナの感染拡大もあるので、来てくれーとは大きな声で言えないですが来てほしいです。お湯、最高に気持ち良いですよ?笑

 

それでは、また次回!

 

追伸

僕、千代の湯の店長らしいです・・・笑

 

 

 

 

 

 

これからのお話

ご無沙汰をしていました。

銭湯大好き一般人のがわです。

いや、もはや一般人ではないかもしれません。

 

最初に書いておきます。

会社員を辞めました。

それで、銭湯業界にがっつりと入り込むことにしました。

 

もう一つ最初に書いておかないといけないことがあります。

僕が個人で引き継いだわけじゃありませんし、僕が1人で全部やるわけでもないです。

あくまで僕は銭湯で働きますということを決心しましたというところです。

今この時代に個人でしかも家族ではない人が銭湯を引き継ぐのはほぼ無理です。

だからこそ、色々なご縁に恵まれてそれを手放すことはしてはいけないと思い決心をしましたというお話です。

 

僕のブログを読む前に梅の湯三代目のnoteを読んでほしいです。

ことの経緯が書かれていますので。

 

note.com

 

 

Twitterを見てくださっている方は薄々気が付いていたかもしれませんね笑

少しいきさつをここで書かせてください。

あえて、noteではなくこのブログで書いているのはやっぱり銭湯の話だし何より僕が文章を書き始めて銭湯とつながりができたのがこのブログだからです。

 

これからですが荒川区にある「千代の湯」さんで本格的に銭湯運営を行っていきます。千代の湯は3月末まで元々ご高齢のご夫婦がやっていました。

 

しかし、昨年の夏頃だったでしょうか。

ご主人が体調を崩されて、入院をしてしまい女将さん一人で切り盛りすることになりました。銭湯を一人で営業することはできないことはないです。ただ、営業後の掃除まで含めるとすごく大変ですし、しんどいです。

 

そんな状況になって、女将さんは同じ荒川区の梅の湯さんにヘルプを求めました。

掃除だけでもお手伝いに・・・そうすればまだなんとか続けられそうであると。

 

ちょうど時を同じくして、僕も梅の湯にて掃除の手伝いを始めたタイミングで「もし他の銭湯でも掃除手伝いとか必要だったらやりたいですね~」なんて梅の湯三代目に話をしていました。ちょうどタイムリーだったわけで、三代目から「緊急で手伝ってほしい銭湯が出てきました。今度手伝いに行きますががわさんも行きませんか」とお声がけいただきました。

 

ちなみにですが、この時僕は千代の湯には何度か行ったことがあって熱々のお湯、トゴールの湯、女将さんの明るい人柄、モザイクタイル絵。すごく好きで良いなあこの銭湯、好きだなあって思っていました。そしてこういう銭湯、無くなっちゃったら嫌だな女将さん大変そうだけど続けてほしいなって思っていました。

 

三代目からお声がけいただいてから週に2、3回掃除の手伝いに行くようになり、女将さんと沢山色々な話をしました。もちろんまだ営業を続けたい。でも体がしんどいしこのままだと廃業してしまうかもしれないこと。

 

そんな話をしている中で女将さんから「がわくん、うちのお店やらない?」と聞かれました。その時、僕はまだ何も決心ができていませんでしたが「もしできることならやりたいですね・・・」と答えました。

 

梅の湯三代目も荒川区から銭湯をなくさないためにどうしたらいいかを考えていたようで、千代の湯の経営を梅の湯で引き継ぐっていうことを考えていたようでした。

ただ、それをするにあたってはやっぱり人が必要。

 

そして、(自分で言うのも恥ずかしい話ですが)女将さんと信頼関係が築けていて女将さんも「がわくんにやってもらいたい」と言ってくださって僕自身決心がつきました。

 

「僕、会社辞めて千代の湯やりたい・・・やります」

そんな話を確か三代目とした気がします。そして僕は千代の湯で働くという方向で動くことになりました。

 

元々銭湯をやりたいという気持ちがなかったと言えばウソになります。どこかで銭湯をやってみたいなという気持ちはありました。

 

ただ、一方で出来るのかという怖さもあったし勤めている会社を辞めるということにも怖さがありましたしそもそも銭湯の営業は大変だし、なにより簡単に「銭湯で働きたい、銭湯がやりたい」なんて言っていいものでもないと僕は思っていました。知れば知るほど簡単に「銭湯がやりたい」なんて言えなくなるもんなんです。

 

でも、会社でやっている仕事に限界・・・というよりも自分に合っていないなという思いがここ2~3年ずっとあって転職を考えていたこともありました。

 

なによりこんな素敵なご縁に恵まれることはもう二度とないだろうし、銭湯を無くさないために何かできないかとずっと考えていたので気持ちは会社を辞めて銭湯で働く方向にどんどん傾いていきました。

 

それでもやっぱり悩みました。何人か信頼できる友人にもポロリと相談したところみんながみんな「がわが絶対にやった方がいい」というお言葉をいただきました。まあ両親は大反対でしたが。

 

ただですね、すぐに会社を辞めるということは難しかったんです。

それだけじゃなくて、千代の湯も引継ぎをするにあたって本当に紆余曲折があって・・・。詳しい話はかけないんですが、どんなに信頼関係があってもやっぱり大変だったり少し拗れてしまうことがどうしてもあって「これ本当にできるのか?」となりました。

 

さらに会社もですね、「辞めます」という前に新しいしかも僕名指しの仕事が来てしまって少なくともそれがある程度落ち着くまでは「辞める」なんて言い出せる状況ではなくなってしまいました。

 

僕のそんな状況とは裏腹に、何とか千代の湯の経営を梅の湯が引き継ぐことの話も進みました。そして、やっぱり人が必要なので人を募集して一緒に千代の湯で働く人が増えて。一つ先が見えてきたところで会社に辞める旨を伝えられました。

 

そして5月末で最終出社を終えました。

今は有給消化期間中ってやつです笑

 

ぶっちゃけた話、会社辞めるのが無茶苦茶大変でした。

もう誰にも何も相談できないけどなぜか新しい仕事が降ってくるという状況。

残業だけがかさんでいき、千代の湯の方は何もできなくなりました。

(千代の湯スタッフ皆様本当にありがとうございました・・・)

 

そしてこれは僕だけの話じゃなくて、多くの色々な人のお力もあって僕も決心できました。何より、千代の湯の経営を引き継いでやりませんかと色々とお声がけくださった梅の湯三代目には本当に感謝しかないです。こんなご縁に恵まれることはこの先ないんじゃいないかって思っちゃうくらいです。

 

さて、これから本格的に千代の湯を続けていくため、銭湯をなくさないようにするために働いていくことになります。何が出来るのかわかりませんし、不安もいっぱいです。

 

でもそれ以上に、千代の湯はまだまだ改善できるところも沢山あるしもっと多くの地域の人たちを癒す場所にできるとも思っています。

 

これから千代の湯でのこととか、銭湯で働くことについてをこのブログで更新できたらいいかなって思っています。

 

これは余談ですが、僕は本当に一般人で家族が銭湯経営してるとかそんなことはないです。つまり完全な素人です(知識だけは色々ありますが)。これから奮闘していくことになるわけですね・・・ワクワクしますね!!

 

コロナウイルス感染拡大が広がっているので今来てくださいと言えませんが、落ち着いたらぜひ千代の湯に来てください。熱々の気持ち良いお湯を沸かしてお待ちしています。

 

がわ

銭湯日記その114

こんにちわ!

今日も早速行ってきた銭湯をご紹介しましょう。

今回はこちらです!

f:id:miku778:20201227225934j:plain

大塚にあった「玉の湯」さんです。

さて、『あった』という過去形であることが気になった方。

実はこちらの玉の湯さんは2020年9月末にて廃業となってしまったんです。

サウナが好きな方は併設されていた、「サウナ玉泉」も廃業してしまったことでもしかしたらご存知の方も多いかもしれません。

 

先にサウナ玉泉が廃業し、そのあとを追うように玉の湯さんも廃業となりました。

余談ですが、私はサウナ玉泉は行ったことがなくってすごく後悔しています。

 

さて、大塚駅からは歩いていくと大体10分~15分くらいでしょうか。

閑静な住宅街の中に、玉の湯さんはありました。

油断していると通り過ぎてしまうんじゃないかというくらい街になじんでいます。

こういう銭湯が無くなってしまうのは凄く悲しいです。

 

暖簾をくぐって中に入ると、フロント形式の受付があります。

そこで470円を支払って、脱衣所に入ります。

脱衣所は少し暗めですが、外側からは想像しにくい広さと天井の高さです。

 

ありのままの姿になって、さっそく浴室内に。

立派なモザイクタイル絵が出迎えてくれる浴室内は、少し薄暗いのですが凄い光って見えます。

矛盾しているわけではなくってですね、本当にそういう雰囲気なんです。

床が、細かい小さな真っ白いタイルでそれがおそらく光って見える理由ですね。

このタイルの床はあまり見ないタイプですが、すごくいいなあって思いました。

 

それから湯船の周りもタイル絵があしらっていて、これもいいなあ貴重だなあって思いながらカランで体を洗います。

 

カランから出てくるお湯も結構熱めで、私好みでした。

最近熱いお湯に入りすぎて、ほかの人が「熱い!!」って言っていても「ん?普通だけどなあ」って思うようになっているのは内緒の話です。多分、荒川区の下町銭湯で鍛えられているんだと思います。

 

体を清めたら、湯船に・・・。

湯船はジェットがと白湯の二つに分かれています。

どちらもお湯の温度は大体同じで、いずれもかなり熱め。

今は減ってきてしまっている赤外線のライトが良い雰囲気を醸し出しています。

この湯船にあるライト、結構好きなんですよね。なんか眺めていると落ち着くというか。

 

脱衣所の方を見ると、上の方までガラス張りで改めて「ああ、すごく広いし良い銭湯だなあ。きっと街の多くの人たちに愛されてきたんだろうなあ」って感じました。

 

カラン前で水を浴びて、ぼーっとしていると常連さんと思しき方々の会話が聞こえてきました。

「ここ閉まっちゃったらどこ行くよ?」

「いんや、俺はまだ決めてねえな。銭湯減っちゃうとなあ」

「だよなあ」

そんな会話が聞こえてきて、何か心にぐっと来ました。

常連さんたちからすると、落ち着ける場所が一つなくなってしまうってことでありそれは自分自身に置き換えてみるとすごく悲しいことだから。

 

そんな気持ちを心にしっかりと刻みながら、何度も熱い気持ち良いお湯を楽しみました。

 

紹介しておきながら、すでに廃業してしまっているため行ってみてくださいとは言えません。

ただ、きっと東京に住まれている皆様の場合玉の湯さんと同じように皆様の家の近くにもきっと銭湯があるはず。ぜひ、そういう銭湯に行ってみてほしいです。

特別、何か突き抜けたものがあるわけではないかもしれませんが銭湯へ行く最大の目的は体を清めて休めること。それができれば多くは望む必要がないと私は思っています。

 

それではまた!

 

銭湯日記その113

こんにちわ!

ずいぶんとまあ久しぶりの更新となりました。

noteではちょこちょこ更新していたんですけどね、ブログは久しぶりです。

相変わらず新型コロナウイルスが猛威を振るっていますね。

だから、私自身も銭湯巡りをしているというわけではないのですが、それでもちょこちょこと行った銭湯があるので年末にかけてのこのお休み中に更新していく予定です。

 

それでは早速行きましょう!(これ書くのも久しぶりだなあ・・・)

今回ご紹介する銭湯はこちらです。

f:id:miku778:20201227004126j:plain

新宿区にある、「熱海湯さん」です!

今更気が付いたのですが、熱海湯さんって新宿区になるのか・・・。

ちなみに最寄り駅は飯田橋駅です。歩いて10分程度のところでしょうか。

めちゃくちゃいい雰囲気の通りにあるんですよ。

なんていうか、古き良き日本の町っぽいというか。

神楽坂近辺ですからね、そりゃそうかってなるかな。

 

入口の雰囲気が抜群にいいですね・・・。

私は実はこういう銭湯がすっごく好きなんです。

ワクワクするんですよね、場所はどんどん進化しているのに昔の良さをそのまま維持している銭湯って最高だと思いませんか?

 

入口の時点で、男湯と女湯に分かれているのでこれはきっと今は少なくなってきている番台形式のはず、なんて考えながら下駄箱に靴を入れます。

扉を開けるとやっぱり番台形式ですね!いいなあ!

脱衣所は昔ながらの銭湯よろしく、かなり広めですね。

日本家屋のあの雰囲気がばっちり残っていてやっぱり「おばあちゃんち」に帰ってきたようなそんな感覚がよみがえってくる。

 

しっかりとアルコール消毒もして、番台で470円を支払います。

そそくさとありのままの姿になって、いざ浴室内に!!

 

立派なペンキ絵とその下にあるタイル絵に迎えられる浴室は、奥に湯船があり手前にカランがある関東ではオーソドックスなスタイル。

そしてカランはシャワーがないタイプの列もあり、「おおお!これこれ!」ってなりました。

 

カランから出てくるお湯もなかなか熱めでこれもグット!

シャンプーボディーソープは最近持ち歩いているので、それで体を綺麗にしてお待ちかねの湯船へ・・・。

 

熱い。とにかく熱い。

下町銭湯よろしく、かなり熱いです。でも私はこのくらいの温度が好きで「あああ~~~」って自然と声が漏れてきました。よく見てみると備長炭が入っているので水が凄く柔らかく感じました。

もしかしたら、もともと水の質もいいのかもしれないなあ。

この辺は完全に私自身の感覚なので正しくないかもしれないですが。

 

熱いお湯に入った後は、カランの前に座って水を浴びます。

そして、高い天井を見上げながらぼーっとする・・・。

何度も書いていますが、この時間が一番好きなんです。

ぼけーっとしていると、この日にあった仕事のあれこれや最近の疲れなんかも「まあどうでもいいや・・・」ってなってくる不思議。

 

その後も何度かお湯とカランを行き来して、さっぱりした気持ちで上がりました。

脱衣所では常連さんと思しき方が、ソーシャルディスタンスを維持しながらご主人と話しをしていました。こういうのもなかなかしにくくなってきてますが、いいですねえ。

 

古き良き、シンプルイズベストな「ザ・銭湯」でした!!

最高だったなあ、「絶対に好きだと思うよ」って教えてくれた湯の合う友達に感謝です。

それではまた!

 

熱海湯 新宿区:中央線「飯田橋」駅下車、徒歩3分 東京銭湯マップ